国民健康保険について【FP試験勉強中、現役FPの方向け】

 

国民健康保険は自営業者やその家族や年金生活者などが加入する保険です。ここでは国民健康保険について解説します。

 

こんな方におススメの記事

・フィナンシャルプランナー(FP)の資格取得のために、「国民健康保険」の内容を勉強したい方。

・フィナンシャルプランナー(FP)として活躍している方で、国民健康保険の内容を改めて、基礎に戻って確認したい方。

 

 

国民健康保険の種類

国民健康保険都道府県及び市区町村が保険者である国民健康保険と、国民健康保険組合が保険者である国民健康保険の2種類あります。

 

国民健康保険の概要

 

都道府県等の国民健康保険

国保組合の国民健康保険

保険者

都道府県及び市区町村

国民健康保険組合

被保険者

自営業者、年金生活者など健康保険の対象外の人

同業の自営業者やその家族

保険料

市町村ごとに、所得割(前年の所得)均等割(加入人数)などにより世帯単位で算出・徴収される。市町村によって金額が異なる。

40歳以上65歳未満の人の保険料には介護保険料が上乗せされる。

納付は世帯主が行う。

組合ごとの規定により算出される。

給付事由

健康保険と同じ。原則、給料の補填の意味を持つ傷病手当金や出産手当金は支給が無い。

業務上、業務外関係なく、病気、ケガ、出産・死亡に対して支払われる。

その他

被扶養者制度がないため、専業主婦や子どもも被保険者となる。

 

健康保険の仕組みについて【FP試験勉強中、現役FPの方向け】

ここでは健康保険の内容を解説しています。

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こんな方におススメの記事

・フィナンシャルプランナー(FP)の資格取得のために、「健康保険」の内容を勉強したい方。

・フィナンシャルプランナー(FP)として活躍している方で、「健康保険」の内容を改めて、基礎に戻って確認したい方。

 

 

健康保険の種類

健康保険は全国健康保険協会が運営する「協会けんぽ」と各健康保険組合が運営する「組合健保」に分かれます。

協会けんぽは主に中小企業協会が加入し、組合健保は大企業が対象となります。

けんぽの保険料は平均10%で、労使折半となり、組合健保の保険料は各規約によって定められています。

 

協会けんぽ

組合健保

保険者

全国健康保険協会

健康保険組合

対象企業

主に中小企業

主に大企業

保険料率

都道府県ごとに異なる

組合ごとの規約による

 

健康保険の被保険者

健康保険の被保険者は会社員と一定要件を満たしたパートタイマーです。

パートタイマーが被保険者になる場合には下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

 

・1週間の所定労働時間、1か月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上

 

・従業員501人以上の企業、国または地方公共団体に勤める人は下記をすべて満たすこと

①賃金月額が8.8万円以上

②1週間の所定労働時間が20時間以上ある

③雇用期間の見込みが1年以上ある。

④学生でない

 

被扶養者

被扶養者とは被保険者の保険証で保険の適用を受けられる扶養家族のこと。下記の条件をすべて満たした方が対象となります。

 

・生計を維持している国内在住の親族(親族要件)

 

年収が130万円(60歳以上の者、障がい者は180万円)未満で、かつ被保険者の年収の2分の1未満の人

 

保険料

健康保険の保険料は標準報酬月額および標準賞与額に保険料率を掛けた額になります。

原則、被保険者と事業主が労使折半で半分ずつ負担をします。

40歳~65歳未満の人は介護保険料が上乗せされます。

健康保険料は50等級に区分、厚生年金保険31等級に区分

 

保険給付の種類

療養の給付

被保険者証で診察・薬剤・治療材料の支給、処置、手術などを受けた時に給付される。

診察に伴う自己負担額は原則3割で、未就学児及び70歳~74歳の前期高齢者の自己負担割合は2割となる。(ただし、70歳~74歳の前期高齢者でも現役並みの所得がある場合には3割負担となる)

 

高額医療費

同一月、同一医療機関で支払った医療費が高額になった場合に、申請後、後日限度額を超えた部分について給付を受けられるもの。

70歳未満の人は所得に応じて自己負担の額が変わる(5区分)

 

高額介護合算療養費

同一世帯に介護保険の受給者がいる場合、1年間(8月~翌年7月)に支払った健康保険と介護保険の自己負担額を合算して一定額を超えたときは、健康保険からは高額介護合算療養費、介護保険からは高額医療合算介護サービス費が支給されます。

 

保険外併用療養費

保険が適用されない特別な治療を受けた場合でも、一定の条件を満たした診療であれば、通常の治療と共通する基礎的部分について給付がされます。

その場合、保険外となる部分(評価療養や患者申出療養等)については全額自己負担となり、保険が適用される部分(基礎的な診察・検査等)については3割負担となる。

 

傷病手当

病気やけがのため、働けず、給与が支払われないときなどに、支払われる手当。

療養のため働くことができず、連続3日間会社を休んでいる事が条件となります。

4日目以降休んだ日の分のみ支給が行われ、例えば4日目以降出勤した日があった場合にはその日の分の支給はありません。

給付期間は最長で1年6カ月間

休業1日につき1日当たりの標準報酬月額の平均額の30分の1相当額の3分の2の支給があります。

 

出産手当金

被保険者が出産のために休んだ時に支給される手当。

休んだ日の分のみ支給が行われます。

給付期間は出産の日以前42日出産の翌日以降56日支給する。

休業1日につき1日当たりの標準報酬月額の平均額の30分の1相当額の3分の2の支給があります。

 

出産育児一時金

妊娠4か月以上で出産(流産・死産含む)したときに支給される一時金。

出産被保険者の出産につき1児あたり42万円を支給。(参加医療保障制度の対象出産でない場合は40.4万円)>

原則、被保険者ではなく医療機関に支払われる仕組みとなっています。

健康保険の被扶養者が出産した場合は同額の家族出産一時金が支給されます。

 

埋葬料

被保険者およびその被扶養者が亡くなった場合に支給。

支給額は一律5万円

 

任意継続被保険者について

会社を退職すると基本的には国民健康保険に加入する事になりますが、健康保険に留まりたい場合、一定要件を満たせば留まる事ができます。

 

・退職前に2か月以上被保険者期間がある

・資格喪失日から20日以内に申請

・加入期間は2年間

・保険料は会社の負担がなくなり、全額自己負担となる。

 

被扶養者が多かったり、組合健保手当などが手厚い場合には検討するべき制度です。

社会保険制度の概要【FP試験勉強中、現役FPの方向け】

社会保険とは

社会保険は国が運営する保険制度で、加入者やその家族に病気、ケガ、死亡、失業など一定の事由があった時に、加入者から集めた保険料で給付を行い、生活を保障する制度です。

医療保険介護保険、年金保険を「(狭義の)社会保険」、労災保険労働者災害補償保険)、雇用保険を「労働保険」と分類します

社会保険

(広義)

社会保険

(狭義)

医療保険

健康保険、国民健康保険後期高齢者医療制度

介護保険

公的介護保険

金保

国民年金、厚生年金保

労働保険

労災保険

労災保険

雇用保険

雇用保険

 

住宅資金設計②(住宅ローンの返済)【FP試験勉強中、現役FPの方向け】

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住宅資金設計①の記事はこちら

住宅資金設計【FP試験勉強中、現役FPの方向け】 - ZETs

住宅資金設計①の続きで、住宅ローンの返済に関する記事になります。

 

 

金利のタイプ

固定金利

返済期間の全期間にわたり、当初契約した金利が固定されるもの。変動金利よりも高いため、

借り入れを行う場合には、将来の金利上昇が予想される場合にこのタイプを選択すると良いと言えます。

変動金利

短期プライムレート、長期プライムレートを基準に年2回金利が見直しされ、5年ごとに返済額が見直されます。

実際に借り入れを行う場合には、将来の金利低下が予想される場合に、このタイプを選択する良いと言えます。

固定金利期間選択型

当初一定期間を固定金利とし、その期間経過後に変動金利に変更するか、固定金利を更新するか選択する事ができるタイプです。

 

返済方法

ローンの返済方法には元利均等返済と元金均等返済の二種類があります。

元利均等返済

毎回返済額を一定とする返済方法。

返済計画を立てやすく、元金均等返済と比べ、返済当初の負担が少なくて済みます。

デメリットとしては元金均等返済より返済総額が多いことです。

返済当初は返済額の大部分が利息部分に充てられることになります。

元金均等返済

元利部分の返済額を一定とする返済方法。

元金部分の減少が速いため、元利均等返済より返済総額が少なくて済みます。

デメリットとしては返済額が元利均等返済に比べて多いため、返済当初の負担が大きい事です。

 

繰り上げ返済

繰り上げ返済には返済期間短縮型と返済額軽減型があります。

返済期間短縮型

返済期間短縮型は返済期間を短縮する方法。繰り上げ返済後の毎月の返済額は変わりません。利息軽減効果が大きいのが特徴

返済額軽減型

返済額軽減型毎回の返済額を軽減する方法。繰り上げ返済後の返済期間は変わりません。利息軽減効果は小さいのが特徴

 

住宅ローンの返済方法

一部繰上げ返済

現在借りているローンの元金の一部を返済し、返済期間の短縮あるいは返済額の軽減を図る方法。フラット35、50は原則100万円以上から、インターネットサービスを利用した場合は10万以上から行うことができる。

借換え

借換えとは、金利が高く設定されているローンをより低いローンに借り換えるなど、今後の返済条件を有利にすることです。ただし、借換えには諸費用が発生するため、金利が低くても不利になる事があります。通常、ローン金利差1%以上残存返済年数10年以上、ローン残額500万~1000万円以上の場合、借換の効果があるとされています。また、担保評価、借換え希望者の健康状態で借換えができない可能性もあります。

住宅資金設計【FP試験勉強中、現役FPの方向け】

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住宅資金は教育資金と老後資金と並び、大きな支出を伴う事から、ライフプランを立てる上で、この資金確保をする事が重要となります。

 

住宅購入時には一般的に、購入価格の10%~30%の資金が必要と言われています。住宅ローンを組む際には長期に返済期間が及ぶことから借入可能額ではなく、返済可能額を基に借り入れるべきとされています。

 

死亡者が亡くなってしまった場合のリスクヘッジについても考えておく必要があります。

こんな方におススメの記事

・フィナンシャルプランナー(FP)の資格取得のために、「住宅資金設計」「住宅ローン」「フラット35」の内容を勉強したい方。

・フィナンシャルプランナー(FP)として活躍している方で、「住宅資金設計」「住宅ローン」「フラット35の内容を改めて、基礎に戻って確認したい方。

 

 

 

団体信用生命保険

団体信用信用生命保険とは住宅ローンの貸し手である金融機関が、借主が亡くなった際に貸し倒れしないようにする生命保険です。

 

金融機関のために作られている生命保険であるため、契約者及び被保険者が住宅ローンの債務者、保険受取人が金融機関となっています。

 

借受人が亡くなった時の保険の受取額は住宅ローン残債に等しくなるため、保険料も年を重ねるごとに金額が低くなります。

 

財形住宅貯蓄制度

財形住宅貯蓄制度は住宅の取得や増改築の目的で行う積立制度。申込時に55歳未満の勤労者で、5年以上給与天引きで定期的に積み立てている事が要件となります。払い戻しも住宅の用途につかうときのみ可能となります。一人1契約しかできない。

 

貯蓄商品の場合、元利合計で550万円まで、保険商品の場合、払込み保険料累計額で550万円までの利子は非課税となります。

 

 

財形貯蓄(一般住宅・年金)を1年以上継続して行い、貯蓄残高が50万円以上あれば、財形住宅融資を受ける事ができます。 

 

住宅ローン

住宅ローンはフラット35や財形住宅融資、民間金融機関の融資などがあります。

フラット35

フラットは水平、つまり金利が一定で、返済期間が最長で35年行う事ができるという事でフラット35の名称がつけられています。

民間の金融機関が融資を行いますが、融資実行後に住宅金融支援機構が買い取る形で融資を行います。

H29.10より団体信用生命保険付き住宅ローンとなりました。(ただし任意)

 

金利

金利は全期間固定金利となっていますが、金利は取り扱う金融機関によって異なります。

 

運用金利は申込時ではなく、融資実行時点での金利が使われます。

 

融資率が90%を超えると、金利が高くなります。(宅取得費用の10%以上は自己資金を用意した方が良いと言われているのはこれが所以。)

 

返済期間が21年以上の場合、20年以下の場合に比べて金利が高くなる。

 

物件価格の100%の範囲内で、100万円以上8,000万円まで借りることができる。

 

対象物件の要件

本人または親族の居住の用に供する住宅が対象となります。

 

床面積は戸建てなら70㎡、マンションなら30㎡以上が要件となります。

 

併用住宅なら、住宅部分の床面積が非住宅部分(店舗、事務所など)の床面積以上である必要があります。

 

※投資用物件は対象外

 

フラット35と財形住宅融資の比較表

 

フラット35

財形住宅融資

申込年齢

70歳未満

70歳未満

年間返済限度額

年収400万未満だと、30%以下、400万以上だと35%以下

金融機関によって異なる

条件

住宅金融支援機構が定めた基準に適合した居住用の新築住宅の建設、購入、中古住宅の購入

財形貯蓄を1年以上行い、申込日前2年以内に財形貯蓄への預入れを行い残高50万以上

面積要件

居住用住宅の場合70㎡以上、マンション専有部分30㎡以上

なし

返済期間と金利

15~最長35年。80歳で完済すること

固定金利又は段階金利

適用金利は申込時ではなく、融資実行時点での金利となる。

金利は融資率が9割を超えると、

最長35年、5年固定金利

融資制限

宅建設、取得にかかる費用の100%まで。

8,000万円まで可能。

借換えでも利用可

財形貯蓄残高の10倍以内

物件価格の90%まで。

4000万まで可能

フラット35と併用可能

その他特徴

保証料0円・保証人不要

 

 

 

教育資金設計【FP試験勉強中、現役FPの方向け】

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ライフプランを立てる上で、子どもの教育資金の確保は、とても重要な要素となります。子供が生まれてから将来のいつ頃に何が必要になるかはある程度見積もる事ができます。例えば、小学校入学時にはランドセルや筆記用具、体操着など、大学入学時は入学金、授業料など…。

突発的に大きな資金が必要になる事から、それまでにどれだけの資金をためておくかが考えておく必要があります。

ここでは教育資金の準備に必要な金融商品、教育ローン(借入)、奨学金制度についてポイントを押さえておきましょう。

 

こんな方におススメの記事

・フィナンシャルプランナー(FP)の資格取得のために、「教育資金のための金融商品」「教育ローン」「奨学金制度」の内容を勉強したい方。

・フィナンシャルプランナー(FP)として活躍している方で、「教育資金のための金融商品」「教育ローン」「奨学金制度」の内容を改めて、基礎に戻って確認したい方。

 

 

 

教育資金の準備に適した金融商品

教育資金作りの代表的な金融商品として、一般財形貯蓄とこども保険があります。

 

一般財形貯蓄

一般財形貯蓄は給料天引きで積み立てができる財形貯蓄制度の一つです。年金財形貯蓄や住宅財形貯蓄などと異なり非課税のメリットはありませんが、利用目的に制限がないなどの特徴があります。

 

こども保険 

こども保険は積立保険で、大学入学時などに設定した満期時に満期保険金が受け取る保険です。また、親(契約者)が死亡した場合に、以後の保険料支払いが免除されるなどといった特徴があります。親が死亡した場合に、遺族年金として支払われる育英年金が付加できるものもあります。

 

Point

一般財形貯蓄とこども保険の特徴・違いを理解する

 

 

国の教育ローン

国の教育ローン制度は、親が自立で、必要な教育資金を用意できなかった場合に、子どもが教育の機会を損失しないよう国からお金を借りる事ができる制度です。(教育一般貸付)

 

国の教育ローンの概要

・融資機関は日本政策金融公庫

・融資限度額は学生一人あたり350万円(海外留学資金の場合は450万円)

・固定金利

・返済期間は15年以内(在学中は利息のみの返済が可能)

・債務者(返済義務のある人)は保護者

・資金使途は受験にかかった費用や学校への納付金に限らず、居住費用や教材費など幅広い用途に利用できるのが特徴(住宅ローンと異なる)

 

Point

・融資限度額は350万円(暗記)

・返済期間は15年以内(暗記)

・住宅ローンと異なり、資金用途の縛りが少ない

 

 

日本学生支援機構による奨学金

日本学生支援機構は、将来お金を返さなくても良い給付型とお金を返さなければならない貸与型の二種類あります。教育ローンと異なり債務者は学生本人となります。

基本的には計画的に一定金額を返還していく必要がありますが、返還が困難になった場合(災害や病気、失業など)に、返還額を減らしたり(減額返還)、返還する期間を先送りにする(返還期間猶予)制度があるのも特徴です。

給付型奨学金

・返済義務のない奨学金

・経済的理由により、進学が極めて困難な人が対象。

・給付額は学校の種類や通学形態などで異なります。

※給付型の奨学金は給付される額に限りがあるため、通常、貸与型の奨学金と併用する事になります。

 

貸与型奨学金

貸与型奨学金は第一種奨学金と第二種奨学金があり、第一種奨学金は第二種奨学金よりも条件が厳しく、給付の内容も優遇されています。

 

第一種奨学金

・学校の種類や通学形態により設定されている金額から選択する。

・利息は無利息。

 

第二種奨学金

・学校の種類ごとに定められた月額の中から、申込者が選択する。

・在学中は無利息、卒業後は上限3%の利息が付く。

 

ライフプランニングの手法と手順【FP試験勉強中、現役FPの方向け】

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ライフプランニングとは生涯の生活設計の事。その人が望む、結婚、車や自宅の購入、出産など、顧客の生活状況や環境の変化を予測して、その時に必要な資金をどのようにやりくりするか考える事です。ライフプランニングは、お金の面で、できる限り損をしないように人生を歩むためにとても重要な役割を果たします。

お金のプロとしてアドバイスをし、ライフプランを設計するお手伝いをする事が、フィナンシャルプランナーの主の業務となります。ここでは、ライフプランニングの手順と手法について解説します。

 

こんな方におススメの記事

・フィナンシャルプランナー(FP)の資格取得のために、フィナンシャルプランニングの手順と手法について学びたい人。

・フィナンシャルプランナー(FP)として活躍している方で、フィナンシャルプランニングの手順と手法を改めて基礎に戻って用語などの確認したい方。

 

ライフプランニングの6つの手順

ライフプランの策定には6つの手順で行います。具体的な6つの手順は下記の通り。

①顧客との関係確立とその明確化

FP業務の内容の説明や報酬について明確にしておきます。

②データ収集と目標の明確化

 質問紙や面談による収入や支出、本人の趣向などの情報収集を行います。

 定量的情報・・・収入・支出等数値化できるデータ

 定性的情報・・・顧客の性格や価値観など数値化できないデータ

③顧客のフィナンシャル状態の分析と評価

下記の様な分析方法で、希望するライフプランが実現できるか分析を行っていきます。

分析方法

内容

キャッシュフロー分析

顧客の現状収支から住宅取得、老後の生活プランなど数値化されたライフプランを織り込んで分析を行う。

個人バランスシート分析

顧客の現状の資産内容と負債内容そして資産と負債のバランスなど分析を行う

保障分析

顧客のパーソナルリスクやファミリーリスクについてライフデザインとライフプランに基づいて分析を行う

税金分析

顧客の支払っている税金に対して節税の余地がないかといった視点から全体的な分析を行う

分析・評価の際に用いる表

フィナンシャルプランナーがライフプランの分析・評価を行う際に用いる表にライフイベント表、キャッシュフロー表があります。

 

ライフイベント表・・・顧客のライフイベント(顧客やその家族の将来の予定や計画)を時系列で表したもの。

例えば、自分が30歳の時に結婚するから200万円の支出、5年後に子どもが幼稚園に入学するため準備金として15万円支出など、大きな支出が想定されるイベントを洗い出します。

 

キャッシュフロー・・・ライフプランをもとに、今後の収支状況や貯蓄残高を資産し、表にしたもの。

記入する項目は、年間の収入、支出、年間収支、財蓄残高。収入は可処分所得(年収から所得税・住民税・社会保険料を控除したもの)を把握することが必要。

 

個人バランスシート・・・個人バランスシートは企業の貸借対照表を個人にあてはめたもの。現時点での世帯の預貯金や株式、家などの資産と、住宅ローンなどの負債のバランスを把握するするために作成します。

個人バランスシートは常に変化するものであるので、定期的な見直しが必要です。

 

④プランの検討・作成と提示

問題があれば対策を立て、そのプランを提案書にまとめます。

 

⑤プランの実行援助

保険の加入や金融商品の購入など実行の援助を行います。その際に、プランは顧客の利益を優先する事が求められ、自社商品を無理に押し付けるようなことがあってはなりません。

 

⑥定期的な見直し

家族の状況や経済状況などの変化に応じ、定期的に見直します。

係数(数値の算出に用いる)

ライフプランニングをするにあたり、係数を利用すると、計算が簡単になるため、係数の定義を理解して、計算に活用できるようにしましょう。

終価係数・・・現在価値を将来価値に換算する際に用いる係数。現在手元にある元本を複利運用した場合、一定期間後にいくらになるかを求める際に使う

 

現価係数・・・将来価値を現在価値に換算する際に用いる係数。複利運用により所定の金額を得るためには現在手元にいくら必要か求める際に使う。

 

資本回収係数・・・現在手元にある元本を複利運用しながら一定期間で切り崩した場合、毎年いくら受け取る事ができるかを求める際に使用する係数

 

年金現価係数・・・一定期間にわたり複利運用をしながら一定金額を受け取るためには現在手元にいくらあればよいかを求める際に使用する係数

 

年金終価係数・・・複利運用をしながら一定金額を毎年積み立てた場合、一定期間後にいくらになるかを求める際に使用する係数

 

減債基金係数・・・一定期間後に一定金額を得るためには毎年複利運用でどれだけ積み立てれば良いかを求める際に使用する係数。