ここでは健康保険の内容を解説しています。
こんな方におススメの記事
・フィナンシャルプランナー(FP)の資格取得のために、「健康保険」の内容を勉強したい方。
・フィナンシャルプランナー(FP)として活躍している方で、「健康保険」の内容を改めて、基礎に戻って確認したい方。
健康保険の種類
健康保険は全国健康保険協会が運営する「協会けんぽ」と各健康保険組合が運営する「組合健保」に分かれます。
協会けんぽは主に中小企業協会が加入し、組合健保は大企業が対象となります。
けんぽの保険料は平均10%で、労使折半となり、組合健保の保険料は各規約によって定められています。
健康保険の被保険者
健康保険の被保険者は会社員と一定要件を満たしたパートタイマーです。
パートタイマーが被保険者になる場合には下記のいずれかの要件を満たす必要があります。
・1週間の所定労働時間、1か月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上
・従業員501人以上の企業、国または地方公共団体に勤める人は下記をすべて満たすこと
①賃金月額が8.8万円以上
②1週間の所定労働時間が20時間以上ある
③雇用期間の見込みが1年以上ある。
④学生でない
被扶養者
被扶養者とは被保険者の保険証で保険の適用を受けられる扶養家族のこと。下記の条件をすべて満たした方が対象となります。
・生計を維持している国内在住の親族(親族要件)
・年収が130万円(60歳以上の者、障がい者は180万円)未満で、かつ被保険者の年収の2分の1未満の人
保険料
健康保険の保険料は標準報酬月額および標準賞与額に保険料率を掛けた額になります。
原則、被保険者と事業主が労使折半で半分ずつ負担をします。
40歳~65歳未満の人は介護保険料が上乗せされます。
健康保険料は50等級に区分、厚生年金保険31等級に区分
保険給付の種類
療養の給付
被保険者証で診察・薬剤・治療材料の支給、処置、手術などを受けた時に給付される。
診察に伴う自己負担額は原則3割で、未就学児及び70歳~74歳の前期高齢者の自己負担割合は2割となる。(ただし、70歳~74歳の前期高齢者でも現役並みの所得がある場合には3割負担となる)
高額医療費
同一月、同一医療機関で支払った医療費が高額になった場合に、申請後、後日限度額を超えた部分について給付を受けられるもの。
70歳未満の人は所得に応じて自己負担の額が変わる(5区分)
高額介護合算療養費
同一世帯に介護保険の受給者がいる場合、1年間(8月~翌年7月)に支払った健康保険と介護保険の自己負担額を合算して一定額を超えたときは、健康保険からは高額介護合算療養費、介護保険からは高額医療合算介護サービス費が支給されます。
保険外併用療養費
保険が適用されない特別な治療を受けた場合でも、一定の条件を満たした診療であれば、通常の治療と共通する基礎的部分について給付がされます。
その場合、保険外となる部分(評価療養や患者申出療養等)については全額自己負担となり、保険が適用される部分(基礎的な診察・検査等)については3割負担となる。
傷病手当
病気やけがのため、働けず、給与が支払われないときなどに、支払われる手当。
療養のため働くことができず、連続3日間会社を休んでいる事が条件となります。
4日目以降休んだ日の分のみ支給が行われ、例えば4日目以降出勤した日があった場合にはその日の分の支給はありません。
給付期間は最長で1年6カ月間。
休業1日につき1日当たりの標準報酬月額の平均額の30分の1相当額の3分の2の支給があります。
出産手当金
被保険者が出産のために休んだ時に支給される手当。
休んだ日の分のみ支給が行われます。
給付期間は出産の日以前42日、出産の翌日以降56日支給する。
休業1日につき1日当たりの標準報酬月額の平均額の30分の1相当額の3分の2の支給があります。
妊娠4か月以上で出産(流産・死産含む)したときに支給される一時金。
出産被保険者の出産につき1児あたり42万円を支給。(参加医療保障制度の対象出産でない場合は40.4万円)>
原則、被保険者ではなく医療機関に支払われる仕組みとなっています。
健康保険の被扶養者が出産した場合は同額の家族出産一時金が支給されます。
埋葬料
被保険者およびその被扶養者が亡くなった場合に支給。
支給額は一律5万円
任意継続被保険者について
会社を退職すると基本的には国民健康保険に加入する事になりますが、健康保険に留まりたい場合、一定要件を満たせば留まる事ができます。
・退職前に2か月以上被保険者期間がある
・資格喪失日から20日以内に申請
・加入期間は2年間
・保険料は会社の負担がなくなり、全額自己負担となる。
被扶養者が多かったり、組合健保手当などが手厚い場合には検討するべき制度です。