税金を払い忘れていた、役所から通知とか来てたけど放置してしまった?そんな事をありませんか?
税金を払わないとどんな事が起こるのか?徴税吏員として実際に5年間税金の徴収の業務に携わっていた筆者が解説します。
税金を払わないとどうなるのか?
税金を納付しないと、
①延滞金(余計な税金)を払わなければならなくなる。
②税金を納付していない事が職場にバレる事もある。
③財産(預金通帳や不動産、生命保険、給与、車、貴金属等高価なもの)を差し押さえられる。
④本人の意思に関係なく勝手に売りに出される。
など不利益になる事がいっぱいあります。
①税金を余計に払わなくてはいけなくなる
税金にはそれぞれ、納期限が定められており、1日でも過ぎると延滞金の計算が始まってしまいます。
延滞金の詳しい計算方法については、毎年利率の変更等もあり、割愛しますが、100,000円の税金を1年間払わないでいると、約9,000~14,000円程度かかるような利率となっています。
なお、計算された延滞金が1,000円に満たない場合には延滞金は納付する必要はありません。
②財産調査で、勤務先にもバレる?
長期間にわたって税金が納付されない状況が続くと、財産調査が行われます。財産調査は多岐にわたり、預金、生命保険、不動産、所得状況、勤務先、車の保有状況など、税金に充てられそうな財産を持っているか調査されます。
当然、場合によっては、収入状況の調査のために勤務先にも連絡が入るため、勤務先に税金を滞納している事がバレてしまう事もあります。
この調査は協力を拒むと罰則を受けるほど強い権限である事から、銀行や生命保険会社はもちろんの事、勤務先も調査に協力しなければなりません。
当然そうなると、預金履歴や給料の明細を見られる事で、収入がどの程度あるか?、何にお金を使っているか?などより詳細な生活状況を調査員に知られる上に、銀行や保険会社、勤務先等にも税金を滞納している事を知られてしまいます。
③とっても怖い差押、そして現金化へ
財産調査で余剰な財産が発覚すると、差押となり、換価※されます。※換価とは差押えた財産を現金化する事
この段階まで来てしまうとかなり厳しいです。
差押えの対象となるのは
■預金
■生命保険
■不動産
■給与
■車、
■高価な貴金属等
預金は銀行から直接お金を引き落とされます。
生命保険は生命保険会社に連絡され、勝手に解約をさせられます。
給与は勤務先に連絡され、生活に必要な最低限の金額を残しそれ以外は毎月給料から天引されます。
不動産や車、高価な貴金属などは売りに出されたりします。
実際には、預金や給与など現金を差押られた場合には、すぐに税金に充てられる手続きをされますが、生命保険や不動産、車などについては、すぐには手続きはされません。
しかし、放置をしてしまうと、本人の意思に関わらず、解約をさせられたり公売(競売、オークションの行政版)で売りに出される可能性が高くなりますので注意が必要です。
公売に出されるときにはもちろん個人情報は伏せられますが、不動産が売りに出されたりする場合には当然『〇〇さんの家、土地が売りに出されている、あの人税金滞納していたんだ。』程度の事は分かってしまいますので、税金の滞納をしている事が近所の人たちにも知られ、恥ずかしい思いをする事になります。
想定外の処分がされる前に相談を!
通常、税金を払っていないと、税金を払うよう促す督促状や催告書などの書類がそれぞれの税金を扱っている行政機関から送られてきます。
督促状が発布されて10日を経過すると、所管の行政機関が差押が可能となり、事前連絡(電話や訪問)なしに差押される可能性が出てきます。
急に差押をされて、予定が狂ってしまった、不利益を被ったなんて事のないよう
納付し忘れている場合には直ぐに納付するようにしましょう。
すぐには納付できない場合には、その旨をすぐにその税金を扱っている行政機関に必ず連絡をして相談をしましょう。
納めていない税金によって相談する行政機関が異なります。相談する窓口先が分からないという方は、こちらの記事からどうぞ!